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2021.07.03更新

藤沢市 六会日大前 阿南歯科の岩田です。

今回は、「 非歯原性歯痛 」についてお話しさせて頂きます。

非歯原性歯痛とは何か。
それは、歯以外が原因で起こる歯痛のことを指します。
歯以外で歯痛が起こる?にわかに信じがたいお話しですが、実際にそう言った症状を伴う疾患は多くあるのです。
この場合歯の治療は意味がなく、寧ろ処置をする事で悪化させてしまうケースもある為、慎重な姿勢で診断をしなければなりません。

あ

実際に当院でもそういった症状をもって来院される患者さんは多くいらっしゃいます。

では、どう言った疾患が非歯原性疼痛を引き起こすのかその原因になりやすいと言われるものをご紹介致します。

非歯原性歯痛にはいくつか分類があります。

①筋・筋膜性(ジーンと疼く様な痛み)
②発作性神経障害性疼痛(電気が走り抜ける様な痛み)
③持続性神経障害性疼痛(帯状疱疹など伴う)
④血管性疼痛(偏頭痛など伴って生じる)
⑤心臓性
⑥上顎洞性
⑦心因性(精神疾患など)
⑧がんや白血病など
⑨それ以外

これらのいくつかの原因が複雑に絡み合って生じると言うものです。

私達は普段患者さんの訴えを聞く時に、まず主訴(患者さんの症状にたいする主な訴え)を聴きます。
しかし、その訴えだけでは診断には至りません。
その後、いくつか質問をさせて頂いた後、口腔内を拝見し、必要であればレントゲンを撮ったりと様々な診査を行います。

この時に、虫歯や歯周病であればそれに対応する症状が診査の段階であがってくるのですが、それに対応しない、又はいくつか矛盾が生じているものが偶にみられます。

こうした、患者さん側の主訴と此方行う診査によって得られた情報に食い違いがある時は、注意が必要です。

前述したように、歯科処置を行っても治らない事があるからです。

その場合は、しっかりと説明を行いその場では応急処置にとどめ経過観察とする場合があります。

また、必要であればペインクリニックや総合病院など然るべき医療機関への紹介などを行っております。

非歯原性疼痛の方は、鈍い痛みがずーっとあったかと思ったら止んだり、また出たりといった症状が続いてたり、痛みの箇所が日によって変わるなどの「 不定愁訴 」(症状はあるが診査上で異常が認められにくいつかみどころのない状態)がよく見受けられます。

逆に非歯原性ではないけど、痛みが続くケースもあります。

元々歯が原因で、問題なく根管治療を終えたのに、中々症状が消えないと言う事はよく起こります。
しかし、これは難治性のケースだと度々見受けられる事なので、術後数ヶ月又は年単位で経過観察を行い、徐々に日常生活に支障ないレベルに落ち着くといった症例もあるからです。

また、非歯原性疼痛を持っていると、歯の原因で処置を行う事になったが、術後痛や違和感といった症状が出やすく長引きやすい事があります。

この様に、痛みは非常に複雑で特定しにくいケースも多々あり慎重な判断が必要になります。

まずは、心配な事があれば主治医に相談することをお勧め致します。

あ

投稿者: 阿南歯科

2021.06.11更新

皆さんこんにちは。阿南歯科、歯科衛生士の八木です。
そろそろ梅雨入りも近いようですが、いかがお過ごしでしょうか。

本日は唾液の役割についてお話ししたいと思います。
唾液と聞くと「ツバ」などから汚いものとイメージする人もいるかもしれません。
しかし唾液は私たちの健康維持には必要不可欠な物質でとても素晴らしい力を持っているんです。

皆さん、唾液はお口の中のどこから分泌されるかご存じですか?
唾液は耳下腺、顎下腺、舌下腺の大唾液腺と7つある小唾液腺という唾液をつくる腺から分泌されます。サラサラした唾液とネバネバした唾液がありますが、サラサラ唾液は主に耳下腺から分泌され、副交感神経が優位に立っているときでリラックスしているときに分泌されます。ネバネバ唾液は交感神経が優位に立っているときなので、緊張したりしているときに分泌されます。部活の試合や大会、試験のときなど緊張する場面でお口の中がカラッカラ、そんな経験はありませんか?それは交感神経が優位に立つことにより唾液の分泌量が減り、ネバネバ唾液が多く分泌されるからなのです。

あ

人の唾液分泌量は一日平均およそ1,000~1,500mlと言われており、500mlのペットボトル2~3本くらいと考えると、意外と多くてびっくりしますね。
唾液成分のうち、99.4%は水分で残りの0.6%の成分がとても良い作用をもたらしてくれるのです。

<唾液の働き>
唾液には食物を湿潤させ、食塊形成を容易にして、咀嚼・嚥下を行いやすくする「潤滑作用」があります。また口腔内を湿潤させることにより口の運動や発音を円滑にします。
そして唾液は単に食塊を潤滑に移動させることだけに寄与しているわけではありません。口→食道→胃→腸→肛門と続く消化器系の最初のステージで、消化を大いに助けてくれる「消化作用」があります。唾液中のアミラーゼという酵素によりデンプンが分解され消化しやすくなります。
他にも唾液には「殺菌作用」があります。唾液中に含まれるリゾチームという酵素やラクトフェリンというたんぱく質の作用によるものです。
また食べ物・飲み物やお口の中にいる細菌が出す酸によって、お口の中が酸性に傾き虫歯になりやすい環境になってしまいます。唾液には酸性に傾いたお口の中を中性に戻そうとする「緩衝作用」という働きがあります。
「歯の再石灰化作用」は、唾液にはカルシウムイオンとリン酸イオンが含まれているので、歯の表面のエナメル質が脱灰すると、これらのイオンのおかげで歯の表面の溶けだした部分が修復(再石灰化)されます。

あ
常に歯の表面では脱灰と再石灰化が起きていますが、唾液の力によって虫歯になりにくくなっているのです。
唾液ってすごいですよね。しかし歯磨きをしなかったり、間食が多くダラダラと食べたりすれば、口腔内が酸性になっている時間が長くなってしまいますので、虫歯になりやすくなってしまいます。唾液の作用の効果を発揮させるためにも、食事の時間や間食の回数を決めて、食べた後はハミガキをして虫歯になりにくい環境を作りましょう!!


藤沢市 六会日大前 阿南歯科 八木

投稿者: 阿南歯科

2021.05.26更新

皆さん、こんにちは!受付の平岩です。
今回は少し遅くなりましたが4月から新しく阿南歯科医院の仲間入りをした、
先生2名、衛生士1名、助手1名の紹介していきたいと思います!

和田先生
✿ドクター:和田先生
おっとりとした優しい先生です。
時々出る京都弁が魅力です!

大山先生
✿ドクター:大山先生
さわやかな笑顔がステキな先生です。
フレンドリーでとっても親しみやすいです!

今井さん
✿衛生士:今井さん
普段は落ち着きのある穏やかな感じですが、
勉強家で真面目な一面もあります!

尾形さん
✿助手:尾形さん
明るく元気に患者様の対応をしてくださいます!
患者様に寄り添った対応は同じ受付の仲間として見習いたいと思う所も多いです♪

阿南歯科医院へようこそ☆彡
みなさんどうぞよろしくお願いします!

 

さて、話題は変わりまして...
6月4日はむ(6)と4(し)の語呂合わせで、
『むし歯予防の日』と言われています。
しばらく歯医者さんに行かれていない方はこれを機に検診を受けてみませんか?
症状がない場合でもむし歯は進行している可能性もありますので、
痛くなってしまう前に一緒に治療を頑張っていきましょう!
むし歯がない方も検診で正しい歯磨きの仕方を覚えて綺麗な口腔内を維持していきましょう。


お子様の検診ですが、初めての歯医者さんであったり、歯医者さんが苦手ですと通院がご心配ですよね・・・
そんなお子様にも楽しく通っていただけるよう、
当院では3歳~15歳(中学生)のお子様に『キッズクラブ』をご案内しています♪
内容は、
☆治療の内容を毎回、デンタルノートという連絡ノートに記載
☆検診ごとにスタンプカードを貯めて、
 全部たまるとキシリトールタブレットのプレゼント
☆無料でフッ素塗布(通常3000円)
治療前は泣いていた子も、帰る時には先生と仲良くなって、バイバイと手を振っている所を見ると私もにこにこしちゃいます。笑
ご入会費は税込310円で、年会費等はかかりません。
ご入会については当院にいらした時にスタッフまでお声かけください!

また、藤沢市では今年度、20歳、25歳、30歳、35歳、40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳、80歳になられる藤沢市民の方対象に、
『成人歯科健診』のご案内をしています。
内容はむし歯のチェックや、歯茎の異常を発見するための歯周ポケットの検査等を実施します。
費用は500円で、
当院にいらっしゃる際は受診券をお忘れないようにお願いします。
5月下旬ごろにお便りが届くと思いますので、
ご希望の方はお気軽にお電話してください♪

梅雨入りでジメジメとした日が続きますが、
皆様ご体調にはお気を付けてください。

藤沢市 六会日大前 阿南歯科医院 平岩

 

投稿者: 阿南歯科

2021.05.25更新

藤沢市 六会日大前 阿南歯科の阿南です

最近ではだいぶ減ったが、去年あたり歯科は口に直接近いから感染リスクが高そうと歯科治療を敬遠される方が多かった。
お医者さんからも先生は歯科だから大変ですね、などと心配して頂いた。
確かに新型コロナウイルスは唾液から、せきやくしゃみとともにエアロゾルとして外に出るイメージだ。
しかし歯科が原因でのクラスターはまず一件も出なかった、何故だろう?


大阪の吉村知事もTwitterで歯科から感染者がゼロなのは何かある?とつぶやいていた。


しかし我々歯科医にとってはしごく当たり前のことである。


何故なら普段から感染防御が標準だからである。
感染防御には実は種類がある。
所謂、PPEと呼ばれるパーソナル・プロテククテッド・イクイップメントから最大防御のFULL PPEまであるが、

歯科医院においては常時PPEで防御している。PPE

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また去年あたりからはさらに感染予防のために口腔外吸引機、医療用空気清浄機、人の手が触るところもアルコールで徹底して清掃している。
そのためにクリーンスタッフも採用したほどだ。


また患者さんにはお手数だが、体温測定はもちろんのこと毎回健康状態の問診表の記入をご協力いただいている。

さらに、歯科に熱のある患者さんは来ない。
よって患者さんは安心して歯科にかかって大丈夫です。


それよりも歯科で口腔ケアやスケーリング(口腔内のバイ菌のお掃除、歯石とり)をしっかり行なってないことの方が色々な弊害が出る。


新型コロナウイルに限って言えば、口腔内をきれいにすることは肺炎の予防になる。
特に高齢者は嚥下機能が低下(飲み込みが弱る)ているので、誤嚥(気管から肺に細菌や、食物残渣が入ってしまう)を起こしやすい(誤嚥性肺炎)


これは東日本大震災時に避難生活をしていた方の中で、口腔ケアを受けていた方と受けていなかった方では口腔ケアを受けなかった方が肺炎を起こし死亡された方が多いというデータが如実に物語っている。
さらにコロナに関わらず現在疾病における死亡順位の第三位は肺炎なのである(図1)もちろん若い方も口腔内をきれいにすることの重要性は言うまでもない。

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よって、口腔ケアを受けることは新型コロナウイルス予防はもちろん疾病の予防にもなることがわかっている。

 

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投稿者: 阿南歯科

2021.05.09更新

こんにちは、阿南歯科院で勤務しています歯科医の鈴木です。
今回のブログは、私が4月に歯内治療の名医である寺内先生のセミナーを受講してきたセミナー内容の中で、歯の神経を守る保存療法(歯髄温存療法)についてお話をさせて頂きたいと思います。

皆さんは歯の神経はどんな働きがあるかご存じですか?歯科医院に受診されている患者さんの中には神経の働きを知らない方もおりますので、歯科治療を受ける皆さんには是非知って頂きただけたら幸いです。

歯の神経の役目には歯に栄養分を与え歯の強度を保ったり、歯の痛み(冷たい物・暖かい物の感覚や噛んだ時の感覚)を即座に知らせるためのセンサーの役割を担っています。
虫歯が神経まで進行し、神経の温存が可能かもしれないのにも関わらず、神経の治療を行っている歯科医院も多いのが現状です・・。しかし、簡単に神経の処置をしては歯の寿命を短くしているだけに過ぎません。

2007年の海外研究で歯の神経を温存した歯と神経処置を行った歯の寿命の差を比較したところ、歯の神経を温存した歯のほうが長期的な予後が良いことが分かっています。

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虫歯の放置により神経の炎症が生じたとしても神経内にある炎症物質を取り除き正常な神経の生活反応が確認できれば、神経処置をせずに温存することが可能です。
正常な神経とは神経の形態が崩れておらず、神経中に含まれている血管内の出血があり、その出血が止血できるかどうかで見極めます。

細菌の感染によって炎症が生じている神経は形態が崩れており出血が止まりません。しかし炎症を生じている神経を取り除くと、正常な神経の形態を確認でき、さらに神経からの出血が止まることで温存することが可能です。
神経温存療法に使用する薬剤は、MTAという高アルカリ性・抗菌作用・抗炎症作用・硬組織形成作用・歯髄再生作用がある薬剤を使用し、正常な血管と触れることで効果を発揮します。

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MTAは高い成功率を持っていますが、すべての神経症状に使用できるのではなく術前の診査を行い、MTAが使用できるか歯髄が温存ができるか判断をする必要があります。
神経の状況によってMTAが使用できない場合は神経治療が必要になってきます。
使用する際は薬剤が唾液で汚染されたり、虫歯の取り残しや神経からの出血の状況をしっかりと確認しないと成功率が下がります。

当院では様々な歯科治療をしていますが、中でも神経を保存することにも力をいれています。MTAを使用した温存療法の成功率を高めるために、汚染させないためにラバーダムというゴムマスクの使用、虫歯の取り残しがないか検知液を使用したり、マイクロスコープをしようし神経の出血の状況を確認しています。

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MTA使用後は、1~3週間経過観察を行い痛みの有無を確認します。経過観察で良好であれば、唾液やプラークなどの外部からの汚染を防ぐために被せ物を行い終了となります。
しかし被せ物においても、保険治療内の被せ物(金属)だと丁寧に治療したとしても被せ物の材料の制限や欠点(熱で収縮して隙間ができたり、汚れが付きやすい)でMTAを行った歯に対して、薬剤が唾液に汚染されたり再度虫歯なりMTAを使用した意味がありません。できれば材料に制限がない自費診療での被せ物をお勧めします。

MTAは自由診療ですが、保険治療とは違い自由診療は使用する薬剤の制限がなくなるため、患者さんの歯科治療にとってベストな治療ができるという大きな利点があります。

今後の生活において神経処置をせず、健康な神経を温存できることは素晴らしい治療法であり、今回のセミナーを通じて神経を守る、神経を取らない治療の良さをブログを読んでいただいた皆さんに知って感じて頂ければ幸いです。

もし虫歯が大きく、神経を取る可能性があった場合でも神経を抜きたくないと思ったり、他院で神経を取る必要があると言われた場合でも、神経を温存できる可能性が少しでもあれば対応させていただきますのでご相談してください。

藤沢市 六会日大前駅 阿南歯科 歯科医師 鈴木

 

投稿者: 阿南歯科

2021.04.13更新

こんにちは!阿南歯科医院の衛生士 吉澤です!

4月、年度初めになりました。入学や入社などで新たな節目を迎えた方々、おめでとうございます。
私自身、娘が新しい環境に進むことになり 季節の変化と成長をしみじみ感じております。


成長といえば つい最近まで藤沢市では【2歳児歯科健診】というものが、コロナウイルスの影響により 集団実施ではなく地域診療所で個別に行われていました。
当院も個別診療対応の医院でしたので、昨年度からたくさんのお子様が健診を受けにお越しくださいました。

 

小児



実質2歳半すぎを中心に受診対象となるのですが、やはり2歳半はまだまだ難しいお年頃…。怖くなってしまったり、院に入ったときから泣いてしまう子もしばしば。

また、それくらい小さな子と接する機会も少ないスタッフやDrも 初めの頃は戸惑いが多かったと思います。

それでも徐々に経験を増やすうち、どのスタッフもしっかり対応できるようになったことを後半では感じました。コロナ禍という特殊な中 学びに繋がったのは良かったと思います。

 


ところで、1歳6か月児健診や3歳児健診は法的健診としてあるということを歯科衛生士学校で学びましたが、私は自分が子供を持つまでは このような2歳児歯科健診というものがあることも知りませんでした。


こちらの健診は市町村で実施されているものであり、他 さまざまな月齢を対象に設定されているそうです。

 

厚生労働省の調査によると、むし歯(治療済みを含む)を持つ子どもの割合が急激に減少している事が判明しています。例えば、昭和62年に6歳だった子どもがむし歯になる確率(乳歯・永久歯)は91%でしたが、平成23年に6歳だったの子どものむし歯率は42%で、24年間でむし歯率は半数以下に改善されたそうです。

 

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また、上記 別のデータでもご覧のとおり、予防の普及により確実に虫歯の有病率・虫歯数は減ってきています。


虫歯だけでなく歯周病を防ぐには、検診が不可欠です。小児だけでなく、成人検診も市町村などが実施していますので そのような検診を足がかりにして 健康を保っていって欲しいと思います。


そして当院では 基本的に3ヶ月に一度ごとの検診をおすすめしております。今回の2歳児健診のような公的健診をきっかけに受診して、予防として検診を続けていただきたいですし、今回お子さんだけでなく 親御さんの予約も取って下さる方もいらっしゃいました。
こうして1人でも多く、歯科を受診する機会が少しでも増えて下さると、本当にありがたいと思います!

 

 


藤沢市 六会日大前 阿南歯科 歯科衛生士 吉澤

 

投稿者: 阿南歯科

2021.03.15更新

こんにちは。

阿南歯科 往診部の谷村です。

本日は 高齢者の口腔内についてお話しをしたいとおもいます。
年齢を重ねると体にはさまざまな変化が現れますが、それは口の中も例外ではありません。高齢者の口腔内で何が起きているか ご説明していきます。

●自浄作用が低下している
口の中には「自浄作用」があります。唾液の力で歯の表面や舌、粘膜に付いた汚れや細菌を洗い流し、清潔に保つというものです。しかし、身体機能が衰えて唾液の分泌量が減っている高齢者の口腔内は、自浄作用が低下している状態になっており、意識してきれいに保つ必要があります。

●虫歯や歯周病が多い
加齢によって歯茎が下がり歯の根元が露わになると、そこから虫歯になりやすくなります。また、高齢者の口腔内は自浄作用が弱まっているため、本来は唾液で洗い流されるはずの細菌が増殖し、歯周病にもかかりやすい状態です。加齢による免疫力の低下も、虫歯や歯周病菌が増える原因の一つです。

●治療跡や入れ歯が多い
高齢者は、虫歯や歯周病にかかった経験が多く、詰めものなどの治療跡が残っている人も少なくありません。また、歯周病で歯が抜けてしまい、入れ歯を使っている人も多いでしょう。詰め物をしている場合は、その下で虫歯が進行していることがあり、入れ歯を使用している場合は、入れ歯と粘膜の隙間に細菌が繁殖しやすくなります。

●味覚が変化する
人は、舌の表面にある味蕾(みらい)という小さな器官で味を感じます。しかし高齢者の場合、口の中の自浄作用が低下しているため、舌の表面に舌苔が付きやすく、味を感じにくくなったり、味覚が変化したりすることがあります。また、偏った食生活による栄養不足も、味覚障害の原因の一つです。

●口腔内が乾燥する(ドライマウス)
高齢になると、噛む力の低下や服用している薬の影響で唾液の量が減ります。唾液は口腔内を清潔に保つ役割がありますので、ドライマウスは虫歯や歯周病の進行、また、雑菌の繁殖による口臭の原因になります。

口腔機能が低下すると、「噛んで味わう」「飲み込む」といった動作をスムーズに行えなくなるため、十分な栄養を摂取できません。栄養不足状態が続くと、運動機能の低下や認知症の進行、さらなる摂食障害につながる可能性があります。口腔ケアは、歯磨きや口腔内の洗浄で歯周病などを予防するだけでなく、摂食トレーニングや誤嚥性肺炎の予防といった高齢者の身体機能の回復につながる内容も含みます。口腔ケアを適切に行えば、高齢者に「おいしく食べる」という生きがいを取り戻させられるばかりか、介護をする側の負担を軽減させることもできます。

 入れ歯

 

次に口腔ケアのメリットについてお話ししたいと思います。

●唾液の分泌を促進する
残留物や細菌で口腔内が不衛生な状態では、唾液が出にくくなり口の中が乾燥します。口腔ケアで口の中を清潔にすると、唾液の分泌が促進されます。また、歯ブラシなどで「唾液腺」を刺激することで、唾液腺の働きを活発にし、意図的に分泌量を増やします。唾液には歯や口の粘膜を保護したり、虫歯や歯周病を予防したりする役割があるため、唾液の量を増やすことは口腔ケアにおいて重要なポイントです。

●感染症や発熱を予防する
口の中にいる細菌の中には、表皮感染症や食中毒を引き起こす「黄色ブドウ球菌」、呼吸器感染症を引き起こすおそれのある「肺炎桿菌」など、全身疾患の原因となる菌も存在します。口腔ケアをしっかり行わないと口腔内が菌の温床となり、感染症や肺炎にかかりやすくなることがあります。口腔ケアには、感染症や発熱の予防という効果もあるのです。

●認知症を予防する
口を開けたり閉じたりして噛んで食べるという行為は、脳に酸素を送ったり刺激を与えたりするため、中枢神経を活性化し認知症を予防するといわれます。

●誤嚥性肺炎を予防する
嚥下(食べ物を飲み込むこと)機能が衰えると、食べ物や唾液が気管に入ってしまうことがあります。このとき、口腔内の細菌が肺に入って起こるのが「誤嚥性肺炎」です。口腔内の汚れや細菌を減らすことは、誤嚥性肺炎の予防につながります。誤嚥性肺炎は高齢者の命にかかわることもある怖い病気なので、しっかり予防することが重要です。

●口腔機能の低下を防ぐ
高齢者は、「噛む」「飲み込む」「呼吸する」「話す」「表情を作る」といった口腔機能全般が低下しやすい傾向にあります。口腔機能が衰えると、十分な栄養が摂取できなくなり、免疫力の低下や摂食障害につながります。口腔ケアを通して口腔機能を向上・改善すれば、体全体の健康の回復が期待できます。

 

阿南歯科では 訪問診療も行っております。

通院にて歯科治療を受けるのが困難になってきた、寝たきりでお口の中の状態がどうなっているのかが心配など、お気軽にご相談下さい。いつまでも美味しく 安全にお食事を取ってて頂く為にも是非、 阿南歯科往診部にご依頼くださいませ。お待ちしております。
藤沢市 六会日大前 阿南歯科 谷村

投稿者: 阿南歯科

2021.03.02更新

みなさん、どうもこんにちは!

藤沢市亀井野にある阿南歯科医院 受付近藤です!
突然ですが、みなさんは、
「噛ミング30運動」をご存知でしょうか?
タイトルにもある通り、読み方は「カミングさんまる運動」です。

こちらは、食育を推進するキャッチフレーズで
厚生労働省で、一口30回以上噛むことを目標とした
「噛ミング30(カミングさんまる)」運動を提唱しています。

30回というのは、窒息防止や五感での味わいを考慮し、
従来から噛む回数の目途とされている回数だそうです。

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また、「ひみこのはがいーぜ」という言葉をご存知でしょうか?
こちらも、噛むことの効用を表す食育ワードだそうです。

「ひみこのはがいーぜ」にはどんないい事が隠されているのでしょうか?
一緒に見ていきましょう!

まず、

「ひ」肥満予防
よく噛んで食べる事で脳にある満腹中枢が働いて、食べ過ぎを防げます!

「み」味覚の発達
よく噛んで味わう事により、食べ物の味がよくわかります!
よって、減塩に繋がります。

「こ」言葉の発音がはっきり
   よく噛む事で、口の周りの筋肉が使われます。
   綺麗な発音ができたり、表情が豊かになります!

「の」脳の発達
   よく噛む事が脳細胞の働きを活発にします!
   認知症予防に役立ちます。

「は」歯の病気を防ぐ
   唾液がたくさん出て、虫歯や歯周病を防げます!
   よって、歯の生存率アップで、歳をとっても
口から食事ができる事に繋がります。

「が」がんの予防
   唾液の酵素が発がん物質の発がん作用を消す働きをしてくれます。

「い」胃腸の働きを促進
   よく噛む事で、消化酵素がたくさん出て、消化を助けます!

「ぜ」全身の体力向上と全力投球
   力いっぱい遊んだり、仕事したりする活力がわきます!!!

 

一口、30回以上噛むことにこんないい事がたくさんあったなんて、
みなさんはご存知でした?
私は知りませんでした。

弥生時代の卑弥呼の1回の食事の噛む回数が、
約4000回とされており、
その当時の食事は固いものばかりで、
今よりも6倍も噛む回数が多かったそうです。
おそらく卑弥呼は良い歯や、歯ぐきをしていたと想定されて
この言葉ができたそうです。

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また、早食い習慣のある人ほど、肥満度が高いことも
報告されているそうです!

わたしも早く食べてしまう習慣があるので、
今日から気をつけていこうと思います。
また、こういった対策は
小さなお子さまとも一緒にできますよね!

例えば、
小さく刻んでいた食べ物を少し大きめに切って、
噛む回数を増やしたり、よく噛む事で食べ物が細かくなり、
飲み物で流し込まなくても、自然と飲み込めるようになるそうです。


噛む事は健康の第一歩!!

よく噛んで、おいしく味わって食べることにより、
食事の満足感が得られます。
ご自身の健康のためにも、一口30回以上噛んで、
一緒に健康への道を手に入れましょう!!

最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

藤沢市 六会日大前 阿南歯科 受付近藤

投稿者: 阿南歯科

2021.02.11更新

 

こんにちは歯科衛生士の相原です。
寒かったり暖かかったりとなんだかいったり来たりな陽気ですが皆様体調など崩されてませんか?

今日は歯周病と全身疾患について少しお話しさせて頂きますね!

歯周病と言うと口の中だけの小さな病気とおもわれがちですが、最近歯周病と全身の主要な疾患との間に深い関係があることがわかってきたのです!

ここで歯周病と関係のある全身疾患についていくつか挙げていきますね。

⭐︎糖尿病
こちらはある程度世間に浸透している感じはありますが、、、
歯周病を放置しておくと糖尿病は発症しやすくなる、ないし悪化しやすくなります。
これは歯周病により産生される炎症性の物質が血糖値を下げる働きを攻撃して血糖値を下げにくくしてしまうことに原因があると言われてます。

⭐︎心臓病
歯周病菌が歯肉から血管を通り心臓に移動し血管壁に炎症させ動脈硬化をおこし、狭心症や心筋梗塞の引き金になります。
実際、動脈硬化の部分から数多くの歯周病菌が発見されています。
同様の現象が脳血管でもおこり脳梗塞等の脳血管障害を引き起こしやすくなります。

⭐︎アルツハイマー病
歯周病菌がアルツハイマー病を悪化させる一要因になることが報告されてます。
アルツハイマー病の要因となる特殊なタンパク質の産生を促進してしまう働きがあることが明らかになっています。

⭐︎呼吸器系疾患
昨今コロナにより日本だけでなく世界的に沢山の方々が苦しい思いをされているかと思います。
歯周病と呼吸器の病気との関係も盛んに取りざたされていますが、歯周病菌を含んだ唾液が気管支から肺に入り込むと、肺炎を起こすことがあります。
特に高齢者の場合、唾液の誤嚥をしやすいため、細心の注意と歯周病の予防が必要です!


この他にも早産や低体重児出産など色々な疾患に歯周病菌が影響します。

昔から全身疾患に罹ると免疫力が低下して歯周病が悪化すると思われきましたが、最近、多くの研究から歯周病にかかると、その後に全身疾患にかかりやすくなる、もしくはかかってしまうということがわかってきました。
そうです!
まさに歯周病は命に関わる病気なのです!!

歯周病を予防、治療することからご自身のお身体を健康にしていきませんか?

あ
阿南歯科では定期的な検診、メンテナンス、予防処置も行っております。
お気軽にご相談下さい。

 

投稿者: 阿南歯科

2021.01.31更新

こんにちは。阿南歯科、歯科衛生士の八木です。
1月下旬の厳しい寒さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 
 
本日はよく患者様から質問される「歯ブラシの選び方」についてお話ししたいと思います。
薬局で歯ブラシを買うとき、種類が多くてどれを選べばいいか分からない~という方も多くいると思います。
毛の硬さがやわらかめ~かためまであり、毛先の種類も平らでフラットなものや毛先が細くなっているもの、ヘッドがコンパクトなものから大きめなものなどさまざまです。
実際は個人のお口の状態によって選択する歯ブラシは変わってきますので、自分のお口に合った歯ブラシを選択することが重要です。
 
・お子様や健康な歯肉の方

あ

歯ブラシを横から見て、フラットなタイプのフラットラウンド毛が適しています。
このフラットラウンド毛は小さなお子さんや健康な歯肉の方に適しています。
歯肉を痛めにくく、歯面への高いプラークコントロール性があるので、しっかりブラッシングが可能です。
毛の硬さは柔らかすぎると歯肉には優しいですが歯面の汚れが取れにくく、硬いと汚れは取れやすいですが歯肉や歯面を傷付けてしまいやすいので、「ふつう」の硬さがおすすめです。
 
・歯肉が腫れている方

あ

歯ブラシを横から見て先端に向かって細くなっているテーパード毛が適しています。
このテーパード毛は毛先が細く、歯周ポケットに毛先が入りやすいため歯肉が腫れている方に適しています
しっかり磨こうと強い力で磨いてしまうと、チクチクして痛いと感じてしまうので優しい力で磨くことが大切です。
また、歯肉が腫れている人は炎症が起こっているので歯磨きをすると出血をする方もいると思いますが、出血をしてしまうからと言って磨かないとどんどん汚れが溜まってしまい歯周病が進行してしまいます。
最初は出血していても歯頚部(歯と歯茎の境目)をよく磨き汚れを溜めないことが大切です。
 
・コンパクトヘッド、薄型ヘッド

あ

このような歯ブラシは親知らずまであり奥まで歯ブラシが上手く届かない、ほっぺたが硬くあまり伸びない、お口が小さい方などにおすすめで狭い口腔内のすみずみまで磨くことが出来ます。
普通の歯ブラシに比べて、コンパクトなので小さく動かしながら磨くことがポイントです。小さく動かして一本ずつ丁寧に磨くことはどの歯ブラシにも共通して言えることなので意識してみるといいですね。
 
 
 
自分のお口の状態にあった歯ブラシを選び、健康な歯肉を目指しましょう。
紹介した歯ブラシは当院で販売もしておりますので、分からないことがあれば気軽にスタッフにお声がけください。

あ

   ①                 ②                ③

 

 ①薄型ハブラシ ②スーパーテーパード毛  ③ラウンドフラット毛
 
藤沢市 六会日大前 阿南歯科 八木

投稿者: 阿南歯科

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