妊婦の治療について
2020.08.07更新
こんにちは、ドクターの相原です。長い梅雨が明けたとたん猛暑が続いてますが皆さん体調は大丈夫ですか?
本日は、妊娠中の歯科治療についてお話ししていきます!
妊娠中に、
歯が痛くて眠れない。
食事ができない。
イライラする
などの症状が続くと、胎教にもよくないですよね。
妊娠中の歯科治療は、おなかの赤ちゃんに影響があると思われる方も多いと思いますが、いくつかの注意点を守れば、治療が可能なんです!
まず、時期としては
△妊娠初期(1~4ヶ月)
妊娠初期(妊娠15週目まで)
治療に慎重さが求められる時期です。診査やブラッシング指導、生活習慣のアドバイスなどをします。
腫れや出血、痛みなどがある場合は応急処置を行いますが、つわりで治療が行えないこともありますので、きちんと治療を行うのは妊娠中期になるのを待ちます。
過度の緊張や長時間にわたる治療は避け、応急処置にとどめます。
○妊娠中期(5~7ヶ月)
妊娠中期(妊娠16週目~27週目)
ほとんどの方が問題なく治療することができます。
X撮影や投薬も可能となり、通常の歯科治療が受けられますが、お腹の赤ちゃんや妊婦さんの影響を最小限に抑えられるよう、細やかな配慮で治療を行います。
△妊娠後期(8~10ヶ月)
妊娠後期(妊娠28週目以降)
お腹が大きくなってくると、治療ユニットに仰向けになるのも一苦労という妊婦さんも少なくありません。また、この時期はいつ生まれてもおかしくないため、母体に負担がかかるため、緊急を要しない限りは応急処置にとどめます。治療が必要な場合は、産後改めて治療を行うことをおすすめしています。
治療をする際、麻酔は大丈夫?レントゲン撮影って胎児に影響とかどうなの?痛み止め等の薬は?
*麻酔
急性症状で重症化を招く場合や、外科処置を行う上で、局所麻酔が必要となる場合があります。
歯科治療に通常使用する麻酔は局所麻酔です。 2%リン酸リドカイン製剤(歯科用キシロカイン、オーラ注)を使用した場合、胎児や母乳への影響はほとんどないと報告されています。麻酔無しでは痛みを伴う治療の場合、痛みによるストレスを考えると、安定期(16週以降)の場合は局所麻酔を使用した方がよいでしょう。
歯科の麻酔薬は無痛分娩で使われるもので、体内に入ると肝臓で分解され、尿とともに排泄されます。麻酔薬が胎盤を通過することがないため、妊娠中の方でも安全です。
当医院では、麻酔の痛みを極力減らすため、表面麻酔や細い注射針、やさしく緊張を和らげるような対応も心掛けております。お腹の赤ちゃんに影響がないように心掛けていますので、ご安心下さい。
*レントゲン
歯科のX線撮影は、あごや歯の周辺を撮影するため、直接おなかにX線が当たることはありません。
日常生活の中で常に自然放射線と呼ばれている微量の放射線にさらさられてます。この自然被爆と言うのは、太陽や宇宙空間から降り注ぐものなどごく身近なところに多く存在しています。
歯科でのX線撮影に際しての被曝量は一日の自然被爆の約3分の1以下で、被曝としてはごく微量です。
また、撮影時には防護エプロンを着用します。防護エプロンにより腹部を保護すれば、被曝量は限りなくゼロになるため、赤ちゃんへの影響はないとされています。
しかし、心配な方もいらっしゃると思うので、撮影時は相談させていただいております!
*薬
抗生物質は、胎児に悪影響を及ぼす薬があるため、極力妊娠8週以内では使用しません。
痛み止めは、痛みによる精神的なストレスがある場合、比較的安全なものを1日1~2回程度使用します。
胎児への影響の少ない消炎・鎮痛剤(非ピリン系のアセトアミノフェン)や抗菌剤(ペニシリン系、セファロスポリン系)を必要最小限投与します。
いずれも、必要性と安全性を計りにかけ、適切な時期や分量を十分考慮し、場合によっては、通院中の産婦人科の先生に確認していただくこともあります。
このようなことから、妊娠中はホルモンバランスが変化するため、むし歯や歯ぐきの腫れが進行しやすので出産後までまって症状がひどくなる前に、安定期での治療をオススメします!!!
ご自身のお口の中に不安がある方は、体調の優れた日に受診されると良いでしょう!
当医院では、治療を受けられる際に次の事を特に注意しています。
・楽な体勢で治療を受けていただけるよう、チェアを倒しすぎないようにして行います!
・ 急に起き上がって、立ちくらみや貧血を起こしてしまうこともあります。転倒などにも気をつけて治療していきます!
・体調を崩された際は、治療を中断し、すぐにトイレなどに行けるように声かけさせていただくなど心がけております!
おなかが張るような動作を控え、辛い時は、すぐにお知らせください!
妊娠の可能性がある方・妊娠中の方は、必ずお申し出ください!
事前に歯科医師と相談し、納得された上で治療を受けていただくことが大切になります!
気になることなどあれば、歯科医師や歯科衛生士がしっかりとお話しさせていただきます!
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