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2021.08.02更新

ベロ

こんにちは、阿南歯科の篠原です。 
梅雨も明けて夏本番となり、暑い毎日が続いてますね。今年もこの時期が来たか〜という感じで夏を感じています。
今回のブログのテーマは「口腔カンジダ症」についてお話ししていきたいと思います。
口腔カンジダ症についてですが、カンジダ菌(candida albicans)という真菌(カビ)によって引き起こされる疾患です。この菌は他の人から感染をするのではなく、身体が弱ってしまっていたりすると症状が出てくる日和見感染で症状が現れます。健康体で有れば特に問題を起こす事の無い菌であり、我々の口の中に存在している菌(常在菌)です。しかし、身体が健康で有っても口腔内の環境が悪かったりすると若い方でも症状が出てきます。また、基礎疾患(免疫不全症、血液疾患、糖尿病)が有ったり、乳幼児や高齢の方にも発症が見られます。
その他には、免疫抑制剤、抗菌薬、抗がん剤、副腎皮質ステロイド(口内炎、喘息)等を長期服用している場合なども原因となったりします。
高齢の方で入れ歯が入ってる方も清掃が行き届いていなかったり、入れっぱなしになっていたりしても発症したりします。(義歯性カンジダ症)

主な症状
ベロや頬っぺの粘膜に白色のカスが付着し拭うと取れてきます。(このタイプが多いです)
ベロが赤くツルツルしている。
ベロがヒリヒリして、熱い物、刺激物で痛みが増す。
唇が荒れたり、端っこが切れる(口角炎)。
口が乾きやすい。
味覚異常が起こる。
唾液の量が減り、口が乾きやすい。
口内炎が治りにくい。
と言った様な症状が現れます。

カンジダ症にはいくつかの分類があります。
1)偽膜性カンジダ症
抗菌薬の連用や感染症等により免疫力が低下した時に発症しやすい。

2)紅斑性カンジダ症
ベロの発赤が特徴的で、ヒリヒリしたりする。
また、舌痛症と勘違いされやすい。

3)肥厚性カンジダ症
粘膜が肥厚し硬くなり、おできが出来たり白くなったりする。舌の裏に白斑が見られたりする。

分類で紹介した、偽膜性カンジダ症は比較的視診での判断が容易だと言われています。特徴的な症状がいくつか有りますが、それだけてはカンジダ症と断定はできない為、口腔内の状態や症状等の経過が重要となります。また長期的に服用しているお薬が有ったら病歴等も関係してくる場合もあります。また、カンジダ症の疑いが有ると判断した場合は培養検査というが一般的に行われます。
これは患部を綿棒等で拭い専用の培地で培養します。(結果が出るまでには2日ほどかかる。)
カンジダの菌は我々の口腔内にも存在しているので、大量に菌が見つかった場合に陽性と判断します。また、顕微鏡を使用する検査で特徴的な糸状の形態(菌糸)が認められる事で診断できます。

治療方法
口腔カンジダ症の治療には抗真菌薬という種類のお薬が用いられ、使用を始めてから1〜2週間程で症状の改善が見られると言われています。
また、軽度で有れば口腔ケアを行う事で治る場合も有ります。

予防
口内炎でステロイドを長期的に使用する場合は発症しやすい為長期の使用は避けて下さい。
使用の中断が困難な場合(喘息の治療等)には使用後にうがいやスポンジブラシ等で口腔粘膜の清掃を行うと良いです。
入れ歯を使用されている方は清掃時にぬめりを取る様にしてから洗浄剤を使用し、就寝時には外して口腔内及び入れ歯を清潔に保って下さい。
口腔乾燥が有る場合にも発症しやすくなる為、唾液腺マッサージや保湿剤を使用する様にして下さい。

洗浄

口腔カンジダ症は一旦落ち着いても再発しやすい特徴がある為、発症してしまった方は予防策だけでなく、体調管理をしっかり行い普段から口腔内の環境を衛生的に保つ様にして下さい。

藤沢市 六会日大前 阿南歯科医院 篠原

 

投稿者: 阿南歯科

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